Long Story(SFC)-長い話-
揺籃の森のむこうへ -あとがき解説-
この物語は、『神はサイコロを振らない』(大石英司著)パロディというか元ネタで構成されています。
でもって、かないろの『Ouroboros.-SFC-』(オンライン版でいうと『border=0』)、『上書き恋鎖』の大本でもあります。
そんなわけでずっと頭の中にあった話をようやっと形にしましたー。ドラマ版の『神はサイコロを振らない』に感銘を受けて、ハッピーエンドでもバッドでもないタイムスリップものが書きたい、がスタート。
そのあとで、SFC長編パロディを書こうとか、そんな流れになって『Ouroboros.』にいろんなものが変換されてしまって、もうこれでいいかなーと思ってたのですが、『Ouroboros.』ではどうしても消化できなかった設定が残ってました。
そう。中年ガウリイと若いリナという犯罪カプ!(犯罪言うな)
で、まあその部分を解消すべく、『上書き恋鎖』を書いたのですが(自分の正体が危ういガウリナの葛藤恋愛という意味で)、やっぱり中年ガウリイと若いリナカプには勝てないなあと自分の中で実感したので結局書いたという話でした。
なので『Ouroboros.』『上書き恋鎖』の流れをどちらもくんでおります。
書いてから予想外な流れになったんですが。
最初に考えてた流れは、中年ガウリイと接してて、前のガウリイを心配し元の世界に帰りたがるリナ、それを必死に帰るなとするガウリイ、それでも帰り、帰ってから中年ガウリイに恋してたことに気づくリナ、という感じだったのです。実は。
しかし書いてて文章上のリナと久しぶりに喧嘩になりまして(『ビューティフルデイズ』でもあったなこういうの)。
こんな頑張ってるガウリイを振り払ってなんで帰らなきゃならないのと書いても書いてもリナがきちんとその気になってくれない(爆)
しまった…!リナはそういや年上中年好きだった…!と書いてて気づく(爆)
かくして、中年ガウリイに恋したリナ相手にどうしようどうしようと思ったんですが、発想を逆転させました。というか台詞や立場を逆転させて、元の世界に帰そうとする立場をガウリイに託しました。酷だけどそれもありだなあと。そこで、離れたくないのに背中を押すガウリイ、ってことでオフライン本の『いばらみち』でも書いた、けしてリナを縛らない感じになりました。
なので、元の世界に戻ればもう一人リナが現れるかもしれないと発想するのは予定ではリナだったのがガウリイになり、希望を持とうと提案し少ない確率を望むリナだったのをガウリイにしました。
結果こっちのがガウリイかっこよくなってよかったなあと思いますが不憫なのは変わりないですな。中年ガウリイのその後はまた別にUPしてますが蛇足かなあともちょっと思ってみたり。
とりあえず、リナがふらふらしている、とかビッチだ、ととか言われたくないし思われたくなかったので(それもあって表ではちょっと隠す形で発表してた)リナの気持ちとしては基本、最初から最後まで一本の流れ(どっちには言わずもがな)のつもりで書いてます。本当に不憫なのは実は報われまくってるはずの現在ガウリイだったのかもしれない。
直接結ばれるだけが愛の形とは限らないし。そもそもリナにとっては本当どの時代のガウリイもガウリイで全部つながってるから大好きなんだと思う。
このあたりはガウリイと愛し方が違ってるイメージ。ガウリイはたぶん今のリナにしか興味がないというか。ガウリイの前に未来リナと現在リナがいた場合、基本ガウリイは現在リナのみしか愛さないと思うのですよ。未来リナに対する感情はちょっと異なる。リナコピーみたいな感じで。
けど、リナの前に現在ガウリイと未来ガウリイがいたら、リナは両方をガウリイとして愛する気がする。ガウリイコピーすら、いたらガウリイの遺伝子を持っているので『ガウリイ』の中に含んでしまう気がする。それが今回の形です。浮気とかそういうんじゃなくて着眼点が違うというか。
一番書きたかったのはかないろ大好物というか根本『成長を望むリナ』です。
しばらく前まで、リナが胸を大きくしたいのって『周りによりよく見られたい』ってことなんだろうなと思ってたことがあります。いやだって、胸なんか揉まれるか吸われるしか使い道あとないじゃないですか(爆)
だけどちょっと前のすまっしゅだったかで胸の上げ底をする方法みたいなものに対して『よりよく見られたいためならそれでもいいが、あたしの場合そうじゃないし』とか言ってる記述があったんですよね。ちょっと今原本手元にないんであれなんですが。
え、ナイスバディに見られたい為じゃなかったの?と。
背も伸ばしたがってるとか単純にリナは最初から自分が成長したいって願望でなんだなあという結論に今更ですが再認識しました。
常に自分の成長を望んでいるリナが、それを恋心と天秤にかけたなら――――世界との天秤より、もっと狭く、けれどものすごくアイデンティティが問われるわけで、その葛藤が書きたかったのでした。まあ本来の流れだったらあんまり書けなかった部分なんですが結果書けてよかったです。
常に歩みを進めているリナがガウリイは好きで尊敬してるんだろうなと思う。そしてリナも捨てきれはしないと思う。結局、どうしたって、ガウリイの為でも。
『ゆりかごのもりのむこうへ』のタイトルは、タイトル探してたとき聴いていたのが、初音ミクの『はなゆりかご』だったというのも影響してます。
歌ってみましたで歌詞を書かれてる方が歌ったバージョンがユーチューブやニコニコ動画にあるんですがすごく好きでボーカロイド曲で一番好きかもしれない。
今回の物語には全然関係ない歌詞なんですが(爆)
最初『甘い箱庭』とか『優しい檻』とかそんなタイトルを予定してたんですが、なんかBLぽいような18禁ぽいようななんかもうちょっとさわやかなタイトルがいいよ!と(爆)悩んだ末にそこで『ゆりかご』を決めて、そこから、漢字はこれがいい、と決めたとき、あの森がゆりかごっぽいなとかリナが最後森を出るイメージが浮かんだのでこうなりました。
『むこうへ』が平仮名なのは相変わらず掛言葉で、『向こう』と『無効』の両方の意味があります。
森の設定はもういろいろ考えるたびに詰まって、非常にややこしいことになりましたが、まあリナがわからないことはこちらもわかんなくていいか!みたいな(おい)。
すぺしゃるに出てたミシェールの怪しい森みたいなところだけど、あそこと違い実際空間関連以外無害で熟知してる人間にはむしろ心地よいみたいなそんなイメージではあります。ただし空間がおかしいのでそれにびびった噂があって実状を知らない人は下手に近寄らない人が多いみたいな。故におばちゃんが薬草取りにくる程度の環境ではあるけれど誰もがそれ目当てにきているわけじゃないと。
ガウリイは特に野生のカンで危ない空間エリアとかを無意識に気づかず避けて過ごしていたんじゃなかろうかと。
まあ何はともあれ書ききれてよかったです。オンライン向けだったなあと思うこの話(各章の切り方とか展開の進め方が)。少しでも、あんまり悪い方でなく何か読んだ人の中で残ってくれると幸いです。