Long Story(SFC)-長い話-
MEMORANDUM -prologue-
今のあたしにとって、何かを無くすことなんて怖くはなかった。
元々持ってなかったものが多いからかもしれない。
多分あたしにとって無くしたくないものは―――――
ただ一人。
ただ一つ。
それが何故かはわからない。
理屈なんか知らない。
見返りも何も要らない。
逆にあたしが与えられたものの方がほとんどだった。
だから。
迷いなんてなかった。
走っていけた。
それだけを護れたなら総てを無くしても生きて行けると思えたから。