『その夢は目覚めるのを待っている』、裏解説。(おもいきりネタバレ注意)



 

■その夢は目覚めるのを待っている■


そんなわけでネタバレ裏話です。いや、その前に。
18 禁 と 聞 い て 買 っ た 方 に は 生 ぬ る い え ろ で ご め ん な さ い。
よしっ!謝ったぞ!(爆死)いるかわからんけど!

元々は実はこの話、それこそかないろが見た夢からでした。『ガウリイの過去を夢で覗いてしまって悩むリナ』というシーンを書いている自分の夢を見たのです。
目覚めて、覚えてて。それ萌えじゃない?いいんじゃない?というのから始まりました。昔、ガウリイの過去もの長編はサイトでやったことはあるけれど、あのとき不完全燃焼気味だったのが自分でも否めなくて、再チャレンジしたかったのです。
でもガウリイの過去を覗くってどんな状態?と設定を作ってみたらえろが入らざるをえなかったという(爆)かないろのプロットだとこんな感じでしか作れませんでした…嗚呼。
で、えろが入るならば大人なリナ書けるなあー、むしろ変化していくリナが描けるなあー(大好物)と、リナの女っぽくなってく変化を裏テーマに(裏テーマそれ多くないですか)書きました。

けどその時点ではえろシーンはすべて、うまく隠すというか省くつもりでいたんですが、ちょうど書きだしたころに、実際の身長差カプ人に話が聞けまして(爆)いちゃいちゃの苦労を聞いてるうちに、もうちょっと突っ込んだ書き方(何)をしてもいいかもとなり。
書いてたら、これ年齢指定ものなの?どうなの?売るのにどうしたらいいの?とギリギリラインな代物になってしまって、あまりに中途半端すぎたので、「ええい最後にサービスしてちゃんとした年齢指定ものにしてやれ!」となって作品ができました(爆)
最初サイトおまけ部屋でこっそり連載するはずだったものなので、もしそれを通してオフライン行きになってなかったら、たぶんエピローグはかなりはしょられた淡白なものだったと思います。いやはや。
なんでおまけ部屋行きから本になってしまったかっていうのはまあ時期的問題です。5月に本出すー何にしようーって思ったときとこの話を考えてるときが合致したので。表ぐりからでやらないひっそり連載とどっちがいいかと悩んで。

でもそれでも、自分は元々えろが書きたくてこの話を書いたんじゃないんだ!!ということで結局ある程度描写省いたんですけどね…やっぱり中途半端かもしれない。
えろが要で書いてたらたぶんもっと官能描写前戯から丁寧に書いてたと思います。(擬音とかもいれてただろうし)そもそもリナが最初っから満足してると思います(爆)
本命にだけ気遣いすぎて下手になるとかそういう評価をされるとか萌える!とか思ったかないろの中のガウリイはどれだけでしょうか(でも無駄に百戦錬磨より萌えるから仕方ない)。
ガウリイはリナみたいに、自分が彼女のを見てしまったみたいに自分の夢を見られてるかもって発想まではいけてないんだろうなあ。

ビアンカ&ウィル設定はかなり細かく考えて設定したんですが、まあリナの一人称だとこの程度よね、という感じにしました。オリキャラだしね。
ビアンカに感情移入していくリナ、っていうのは、リナが戦う相手の事情を、知るかとはねのけたり知ろうとしないのは、本気で興味がないのでも、冷たいわけでもなくて、傷つけ倒す相手の事情を知ると戦いにくくなるからだろうと思ってるから。
だからうっかり知っちゃうと動けなくなる―――本来感受性強いんじゃないかなあと。だからこそ自らで壁を作り、耳をふさぎ、心を殺す。(ルークのときとか本編でもそれっぽいとこ結構あるよね)『想い』の強い人間に弱い。
ガウリイとのことで変わっていくなかで、それにぶつかったときどうなるのかな、というのがあったのでただただ想いの強いバッドエンドキャラクターとしてビアンカを生み出しました。髪の色とかリナ自身が似ている、と思えるようにといろいろ考え。
ウィルに関してはもうちょっと描きたかったんですが、これまたリナ視点である障害(まあだからこそリナのいろんな感情は深く描けて満足ですが)と、ページ数の問題で少し削りざるを得なかったのが残念かな。いいとこのやさしい(よくも悪くも)ぼっちゃんだったんだと思います彼は。
最初から、彼は黒幕だけど悪役ではないキャラで、ボタンの掛け違いで起きた事件の設定でした。そのがある意味救われて、ある意味救いがないからリナの感情の行き場もなくなってあのエンディングにいけるなあと。
むしろかないろが書いてて感情がきつかったです(爆)すれ違いものは切なくて萌えすぎる。
ビアンカの死因は事故・病気・自殺、なんかどれも混じってるイメージです。そういう生活体弱いひとが送ったら死ぬぞみたいな。

しっかしやはり長編&シリアスは難しいですね!戦闘シーンとかセンスなくてもうお粗末さまでした…いやガウリナ恋人設定ならSFCあとで、魔王いなくなってて、雑魚しかいないんじゃないか?てのが救いでしたが(爆)
短編向きの人間ですので時間とか精神考えてもうこれが最後の長編ガウリナ本にしようという感じです。連載みたいにちまちま書くならともかく一気に書かなきゃなこの形は大変だ。

書いたのは2010年12月〜2011年2月末だったかと。これがうっかり震災のときも書きあがっていなかったら、また、中身はぜんぜん違ったものになっていたかもしれません。
あえて書き直すとかつけたすとかはしませんでした。それはあまりいい影響を出さないと思ったので。

『その夢は目覚めるのを待っている』は夢の中でその一文で終わらせてたので、もうこのタイトルしかないな、と。実際現実にしました(笑)
あ、プロッドたてたりした後なので思いっきり、ではないですが、好きな少女マンガ家さんな椎名あゆみ先生の『ドリームメディシン』というコミックスが出て、夢の話で、若干影響受けたと思います。夢と現実の狭間って感じが。
夢を題材は元々かないろの話に結構あったりするしね。

表紙は最初かないろの相方(サイトの。旦那の意味ではありません)、緑樹予定だったのですが、緑が引越しなどが決まって描く余裕がなくなったので急遽かないろ自身が描くことになってできあがりました。10年ぶりくらいにリナにトーンを貼った…すごく大変だった…。
まあ絵描きじゃないわりには描けたかなって感じです。これまた裸なのかそうでないのか微妙ライン。
夢と現実の狭間、ということで、何かの中間色で装丁はまとめようと、シャインフェイスシルバー(黒と白の間)表紙、中身は紫系(赤と青の間)にしました。まあ本文用紙青っぽいですが。でも色のコントラクションが好みで、お気に入り装丁の本になりました。オフセットはコピー本と違って当日までどうできるかわかんないからどきどき。

読んでくださってありがとうございました。物語が始まる前の寸止めガウリナとかそのうち書けたらなんらかの形で書きたいです。